AIで作ったプレゼンを理解してない学生問題 — 副業ライターが陥らないAI活用の落とし穴
「AIに作らせたら自分で説明できなかった」という学生のエピソードから、副業ライターが同じ罠にハマらないための3ステップの編集フローと、AIっぽさを抜く表現のコツを丁寧に解説します。
Key Points
- 1学生がAIで作ったプレゼン資料を「自分で説明できなかった」事例は、副業ライターにもそのまま当てはまる
- 2AI出力を「自分の血肉」に変えるには、生成 → 構造把握 → 自分の言葉での書き換え、という3段階が有効
- 3AIっぽさを抜くには、「これ、」「個人的に」など特定の出だしや表現を意識的に避けるだけでも効果がある
この記事を読むとわかること
2026年4月、起業家・渋谷修太氏が大学で講義を行った際の話が、Xで大きな話題になりました(参考: Togetterまとめ)。
簡単に概要をお話しすると、学生たちがAIに作らせたプレゼン資料を発表したのですが、資料に含まれる漢字が読めず、質問されても自分の発表内容を説明できなかった、というエピソードです。
これを読んで、「ああ、これって学生の話じゃないな」と感じた方も少なくないのではないでしょうか。筆者も正直、ヒヤッとしました。副業でライターやコンテンツ制作をしていると、似たような状況に陥っている人は決して珍しくありません。
本記事では、この「AI活用の落とし穴」をテーマに、副業層が同じ罠にハマらないための具体策を、丁寧に整理してお話ししていきます。
学生たちに起きた「AI任せ」の本当の問題とは?
ニュースの表面だけを見ると「学生がサボった話」のように映りますが、本質はもう少し深いところにあります。
渋谷氏の指摘で印象的だったのは、「資料の質は劣るかもしれないけれど、昔は自分で入力した内容なので漢字が読めないことはなかった」という一節です。
つまり、AIを使う前は「品質が下がる代わりに、自分の理解が伴っていた」のに対し、AIを使った結果、「品質は上がったが、本人の理解はゼロになった」という逆転が起きてしまったわけです。
1週間後に起きた変化
興味深いのは、その後の経過です。渋谷氏は学生たちに以下を指導したそうです。
- AIの出力をそのまま使わないこと
- 内容が劣ってでも、自分で理解できる範囲のものを発表すること
- 発表練習をすること
すると、「びっくりするくらい良くなった」と。
この話のポイントは、「AIを使うな」ではなく「AIの出力を一度自分で噛み砕いてから使う」という方向の指導で改善した、という点です。
筆者にも覚えがある「読めない漢字」事件
正直、笑い事ではなくて、筆者自身も似たような経験があります。
副業で受注したコラム記事の中で、AIに出させた専門用語をそのまま使ったところ、納品後にクライアントから「ここの漢字、なんて読むんですか?」と尋ねられて、即答できなかったことがありました。慌てて辞書を引いて、その場をしのいだのを覚えています。
学生たちを笑える立場ではない、と痛感した瞬間でした。それ以来、知らない単語が出てきたら必ず読み方と意味を辞書で確認する、というルールを徹底するようになりました。
副業ライターも同じ罠にハマっている
ここからが本題です。学生の話を「ふーん、若い子も大変だね」で終わらせるのは早いです。実は、副業ライターやコンテンツ制作者にも、ほぼ同じ構造の問題が起きています。
よくある「AI任せ」の症状
筆者の周囲でも、こんな声を聞くことがあります。
- 「自分の記事なのに、後で読み返したら内容を覚えていない」
- 「クライアントから質問されたとき、即答できない」
- 「文章は整っているのに、なぜか心に響かないと言われる」
- 「自分が書いたはずなのに、自分の言葉ではない気がする」
これらは、学生のプレゼン問題とまったく同じ構造です。AIの出力を表面的に通過させているだけで、自分の思考をくぐらせていない状態なのです。
なぜ気づきにくいのか
副業の場合、本業の合間に作業するので、どうしても「効率化」を優先しがちです。AIに任せて、軽く目を通して、納品する。このフローが回り始めると、表面上は仕事が成立してしまいます。
しかし、「自分の言葉になっていない記事」は、長い目で見ると確実にライターとしての信用と実力を蝕みます。クライアントは敏感です。AIっぽい記事を出し続けると、徐々に発注の質と量が落ちていく、という話をよく耳にします。
AI出力を「自分の血肉」にする3ステップ
ここからは具体策に入ります。筆者がおすすめしたいのは、「生成して終わり」ではなく、3段階で出力を扱うフローです。
ステップ1: 生成(雑でいい)
まずは普段通り、AIに記事の骨子や下書きを出させます。ここはあまり凝らなくて構いません。プロンプト例としては次のような形です。
副業ライター向けに、AI活用の落とし穴をテーマにした記事の骨子を作ってください。
H2見出し5つ、各H2の論点を3行ずつまとめてください。
ステップ2: 構造を自分の頭に「インストール」する
ここが、学生たちが飛ばしてしまったステップです。出力された骨子を眺めるだけでは、自分の理解は深まりません。
筆者が推奨する具体策は次の3つです。
- AIに「この骨子の論理構造を3行で説明して」と聞き返す
- 自分で手書き or 別ドキュメントに、見出しだけを書き写す
- 各H2について「なぜこの順番なのか」を自分の言葉で説明できるか試す
これだけで、「他人の文章」から「自分が把握している骨組み」に変わります。
ステップ3: 自分の言葉で本文を書き直す
最後のステップが、本文を「写経しない」ことです。AIが書いた段落を、半分以上は自分の言葉に置き換える、というルールを自分に課すのがおすすめです。
このとき意識したいのが、「自分の体験」「自分の感想」「自分の周りで実際に起きたこと」を1つ以上、各セクションに混ぜることです。これだけで、文章のAI臭はかなり抜けます。
筆者の編集ルール: 「半分書き直し」のラインを引く
筆者は今、AIに下書きをさせるときに「最終稿は、各段落の半分以上を自分の言葉に書き直す」というラインを自分に課しています。
具体的な手順は以下の通りです。
- AIが書いた段落を読む
- その段落の「言いたいこと」を、ノートに1行で書き出す
- その1行をもとに、自分の言葉で段落を組み立て直す
- AIの段落と自分の段落を見比べて、足りない論点や数字だけ拾う
時間にして、1記事あたり1.5〜2倍はかかります。ですが、書き上がった記事を後日読み返したときの「自分の文章だ」と思える感覚は、かけがえのないものです。
「AIくさい文章」と言われないための表現リスト
合わせて押さえておきたいのが、「AIっぽい」と読者から嫌われがちな表現です。Togetterの「AIくさい文章を読むと鼻につく」まとめでも、いくつか具体的な例が挙げられていました。
避けたい表現の代表例
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「これ、」で始まる書き出し 最も警戒されている表現のひとつ。SNS投稿でもブログでも、冒頭で多用すると一気にAI感が出ます
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「個人的に思うのは」 「個人的って何やねん」と突っ込まれがち。「私は」「自分は」のほうが自然
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「本質を突いている」 AIが乱用しがちな評価表現。安易に使うと薄っぺらく見える
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対比構文の連発 「〜ではなく、〜です」が3段落続くと、機械的な印象になる
一方で覚えておきたい視点
興味深いことに、識者の中には「AIっぽさが識別できるほうが、社会的には健全」という意見もあります。AIが完全に人間の文章を模倣してしまうと、見分けがつかなくなり、別の問題が生じるという指摘です。
つまり、AI臭をゼロにすることが正解とは限らない、ということでもあります。重要なのは、「自分の文章として責任を持てる状態にする」ことであり、表現の癖は二の次という見方もできます。
「AIに頼ると力がつかない」論争にどう向き合うか
少し脱線しますが、関連する話としてもうひとつ触れておきたい論争があります。「AIに頼ると自分の力がつかないのでは」という不安です。
Togetterの「AIに頼ると自分の力がつかない」議論でも、世代間で見解が分かれていました。歴史的に見れば、電卓や自動車の普及時にも似た議論があり、結局は「使いこなす側の力量」に収斂したという指摘も多いです。
筆者の立場としては、「AIを使うか否か」ではなく「どう使うか」が問われている時代だと考えています。
副業ライターが意識したい3つの姿勢
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基礎力は別途鍛える AIが書く文章が「正しいか」を判断できる読解力・専門知識は、AIに頼らず鍛え続ける必要があります
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AIに任せる範囲を明確にする 「リサーチはAI、構成は人、本文は混合、最終仕上げは人」のように、自分の中でラインを引くのが大事
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「自分の言葉になっているか」を毎回点検する ステップ3で触れた書き直し作業を、面倒でも省かないこと
これだけで、AIを使いながらもライターとしての実力は確実に積み上がっていきます。
まとめ
最後に、本記事のポイントをもう一度おさらいしておきます。
- 学生のAIプレゼン問題は、副業ライターにもそのまま当てはまる構造
- 「生成 → 構造の把握 → 自分の言葉で書き換え」の3ステップで、AI出力を自分の血肉にできる
- 「これ、」「個人的に」など特定の表現を避けるだけでもAI臭は抜ける
- AIを使うか否かではなく、「どう使うか」が問われている時代
まずは今日、AIに書かせた直近の文章を1本見直して、「自分は何を書いたんだっけ」と説明できるか試してみてください。説明できなかった箇所があれば、それが書き直すべきポイントです。